タイムカプセル

「なにこれ、うわ懐かし。」「こんなの見たことねえよ、、」
私が人知れず立てた耳に、観衆がこぼした言葉が注ぎ込む。そして大会裏の小さな小さなBOSSとして、目を閉じ、空を見上げ、人知れず拳を握りしめた。約半年、大会中止が初めて決まったあの日から数えれば約3年間の助走は、ついにゴールラインへ。そして次の走りへとバトンを繋いだ。

3ヶ月後の自分の理想の姿を記したこのかっこつけた数行を予言日記として、タイムカプセルにかわるものとして、約4年ぶりの大会開催を願い準備を続ける自分と仲間、開催を断念した年にMEIKEIに関わったメンバーの方々へ送ります。

 申し遅れました、筑波大学MEIKEIオープンテニス2023の学生統括リーダーと務めさせていただく鏑木隆太郎と申します。何気ない受動的な気持ちでこの大会に関わり始めてからもう3年目になろうとしています。中止を判断せざるを得なかった大会しか経験できていないとはいえ、その中で既に多くの学びや気づきを得ました。ふと振り返るとYouTube登録者数1000人突破を目指した試行錯誤と達成の瞬間の喜びが多くを占めていますが、今年はもちろん動画だけではない大会の魅力を生み出したいと思っております。

では、大会開催経験がない青二才である私と副リーダー安藤涼夏にはなにができるでしょうか。何度も悩み考えて掲げたのが今年のスローガン「新しいのに。懐かしい。」です。コロナ禍に生きたからこそ感じられる懐かしさと新しさを目指し準備を続けたいと思っております。このスローガンの元となったのが2つの考え:①繋がれたバトンを受け取りきること ②私たちだけの経験を活かすこと です。
入学後から横で(中でも)見ていたリーダーたちの足跡は多くの動画やパンフレットなどに残っています。Next Innovation、近所でやってる国際大会、競技としてのテニス、デザイン性ある大会、筑波大学にMEIKEI旋風、、、、、。これらの多くの取り組みや理想の大会像が実現せずにいます。そんな種を今年こそ全て芽吹かせたいというのが私の思いです。ただ、その再現だけでは終わらず、私たちだからこそできる新しい視点の挑戦もしたいと意気込んでいます。コロナ禍だからこそ再認識した、人と人との交流の重要さ、情報技術の発展。自分でさえも知らなかった新しい趣味の没頭もあったかも知れません。もちろんオンライン授業の便利さもMEIKEI YouTubeの発展もコロナ禍だからこそかも知れません。
これらの考えをもとに「新しいのに。懐かしい。」をスローガンとして掲げ、コロナ禍に生きたからこそ感じられる懐かしさと新しさを目指し準備を続けていきます。

 (最後に)どんな教授の講義よりも、どんな映画よりも真相が気になる言葉「大会期間中が一番楽しいよ」。
「シャトルランなんて走り出せば楽よ」「テスト期間一回も勉強してない」なんて信頼ならない言葉とは違う、絶対に自分の頭の先から足の指の先の先までの全身で確かめたいこの数文字の言葉はどれほど力あるものなんでしょう。選手、来場される観客の皆様だけではなく、自分自身そして組織全体にとって最高に懐かしく新しい大会を目指し、この疑問の残る言葉を確かめ、そして次の世代に送りたいと思います。
そしてこの1203文字の言葉全体を持ってタイムカプセルとして3ヶ月後の自分に改めて送ります。

それでは大会開催まで、首をながーくしてお待ちください。